1998年、東京大学大学院薬学系研究科にて薬学博士号を取得。
専門分野は神経生理学で、脳の健康について探求している。
文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2008年)、日本学術振興会賞(2013年)、日本学士院学術奨励賞(2013年)などを受賞。『やる気脳のつくり方』『記憶力を強くする』『パパは脳研究者』
2023年3月に行われた調査で、5月病の症状として “やる気が出ない”と回答した割合が6割を超えました。この「やる気」というものは、脳の真ん中あたりにある“側坐核(そくざかく)”というところから生み出されます。“側坐核”は心臓を自分の意志でコントロールできないのと同じように、自由にコントロールすることができません。そう言われると「やる気」は自分の意志ではコントロールできないように思いますが、実は「やる気」をコントロールする方法があるのです。それは“行動”を起こすことです。
人間の脳というものは非常に騙されやすいものです。どんなに億劫でも体を動かして「やるんだぞ!」と思ってしまえば、「やる気」になるのです。一度「やる気」を引き出すことができたら、今度は「やる気」が体を動かしてくれて、「やる気」はどんどん連鎖していきます。
「やる気」を出すために何かしらの行動を起こすには、きっかけとなる行動を設定することがおすすめです。例えば、「仕事に取り掛かる前に3分間デスクの掃除をする」や「洗濯物を畳む前に甘いものを食べる」などをあらかじめ決めてしまうことで、体がきっかけを覚えて、その行動を起こすと習慣的に仕事や作業を行うモードになります。
また、「やる気」を出すきっかけとなる行動を設定する際に「何かを食べる」のであれば、集中力を持続できるように脳のエネルギー源となる「ぶどう糖」を食べることをお勧めします。「ぶどう糖」を多く含むお菓子やフルーツをおやつとして取り入れてみるのはいかがでしょうか?
図内における調査概要
調査対象:小学生・中学生の子どもを持つ保護者/調査方法:WEBアンケート調査/調査期間:2023年3月24日~27日/サンプル数:300人/調査機関:株式会社ネオマーケティング